勉強が続かない子のオンライン学習を習慣化する環境づくりと継続の工夫

家庭での学びと体験

この記事は、小学生の子どもを育てる保護者に向けて、元小学校教員として40年間、子どもの成長を見てきた経験から、家庭で実践できるオンライン学習を習慣化する環境づくりついて解説します。

「うちの子はゲームには集中するのに、なぜ勉強は続かないの?」そう悩むのは、決してあなただけではありません。

元小学校教諭として40年間、約4000人の児童と向き合ってきた私がたどり着いた答えは、「学習にゲームの報酬系と達成感」を取り入れることでした。

この記事で紹介する内容は、「家庭での学びと体験」の考え方の一部です。親子の関わり方全体の視点については、こちらの記事で詳しくまとめています。
子ども主体のおうち夏祭り|自己肯定感につながる家庭イベントの工夫

【失敗しない始め方】オンライン学習をスムーズにスタートさせるための3つの準備

「やってみたい!」と思っても、いざ始めるとなると、何から手をつければいいのか迷うもの。

でもご安心ください。たった3つのポイントを押さえるだけで、オンライン学習はぐっと身近になります。

準備1:機材・通信環境:集中を途切れさせない「学習規律」の土台づくり

オンライン学習には、パソコンやタブレット、そして安定したインターネット環境が不可欠です。

カメラやマイクは内蔵のもので十分ですが、必要に応じてヘッドセットやイヤホンを用意すると、より集中しやすくなります。

わが家では子どもたちの声をクリアに拾うために、ヘッドセットを用意しました。特に、授業中に先生とコミュニケーションをとる際に役立ち、子どももスムーズに話すことができました。

事前に家族が使う部屋のWi-Fi速度をチェックしておくと、授業中のトラブルを避けられます。

オンラインでの機材トラブルは、子どもの学習意欲を低下させる最大の要因です。

通信環境の安定性は、学校でいう「学習規律」と同じくらい重要で、スムーズな接続は「いつでも学べる」という安心感につながります。

準備2:無料体験の活用:「自分で選んだ」という内発的動機づけ

多くのオンライン学習サービスには、数回の無料体験やトライアル期間が設けられています。

わが家では、複数の無料体験を試して、子どもたちが一番「面白い!」と感じたサービスを選びました。

特に、子どもが実際に画面を操作できる参加型の体験が、集中力を引き出す上でとても効果的でした。実際の授業の雰囲気や、子どもがそのサービスに合うかどうかを確かめる良い機会になります。

複数の体験をさせることで、子どもに「自分で選んだ」という自己決定感が生まれ、これが内発的動機づけ(自ら進んで学ぶ力)につながります。

「面白い!」という感情が、勉強嫌いを克服する最初のステップです。

準備3:費用の把握:家計に無理のない「継続できる範囲」の計画

オンライン学習の費用は、サービスや受講頻度によってさまざまです。月額制のものが一般的ですが、単発で受講できる講座もあります。

わが家では、まずは負担の少ない月額制のサービスからスタートしました。事前に公式サイトで料金プランを確認し、家計に合った無理のない範囲で始めることが大切です。

教育は長期的な投資です。家計に無理のない範囲で始めることは、親のストレスを減らし、結果的に学習の継続性を高めるための重要なポイントです。

無理な出費は途中で挫折する原因になりかねません。

これらの準備を済ませておけば、親子で安心してオンライン学習の第一歩を踏み出せます。

集中力と自立心を育む!「勉強嫌い」の子が夢中になる成功法則

「オンライン学習、なんだか難しそう」「子どもが集中してくれるか心配…」。そう思っている方も多いのではないでしょうか。実は、私たち家族も最初は戸惑いの連続でした。

学習環境の整備:「第3の教師」としての専用スペース活用術

最初に戸惑ったのは実は子どもたち以上に私自身でした。

案内メールに書かれていたアプリのダウンロードやアカウント設定は、一見簡単そうに感じたものの、細かな操作に戸惑い、時間ばかりが迫ってしまいました。

子どもたちが「もう始まるよ!」、「まだなの?」、とそわそわするなか、何とか時間内に接続できたときはひと安心でした。

さらに子どもたちの集中力にも違いが。息子は画面にくぎづけで先生の話に真剣に耳を傾けていましたが、娘は友達に手を振ったり変顔をしたりと落ち着かず、不安を感じました。

そこでリビングの一角に小さなオンライン学習専用スペースを作りました。

そこは娘にとって「自分だけの場所」となり、少し離れて見守る私の存在が安心感となり、自然に集中力が増したのです。この小さな工夫が大きな成果を生みました。

環境は第3の教師と呼ばれるほど大切です。

学校でも、机をつけると児童はにぎやかになり、離すとプライベートゾーンが広がり、落ち着きます。ほんの少し距離を置いただけで、安心感と集中力の両方が生まれます。

米国の調査でも、学習専用の静かなスペースがある子どもは、オンライン授業での集中度が高いことが示されています。

リアルタイムの学び:親子の対話で「疑問を放置しない力」を育む

ある日の理科の授業中、息子の表情に疑問が浮かんでいるのがわかりました。水の状態変化のグラフで、温度が上がっているのにグラフが横に伸びているのが不思議だったようです。

そこで氷を取り出して溶ける様子を実際に観察しながら、温度計で温度の変化を測りました。

科学の理論を実体験として目の前に示すことで、息子の理解は深まり、「なるほど、だから温度が動かない部分があるのか!」と目を輝かせて納得していました。

こんなふうにリアルタイムの学びを一緒に体験できたのは、オンラインだからこそ気づけた瞬間でした。

学校の授業だと、疑問を抱えたままそのまま流してしまう子がいます。私が40年間教員をしていて、教室でよく見られた光景です。

オンライン学習は最初こそ戸惑いの連続でしたが、工夫を重ねることで子どもの集中力や理解力を伸ばす場へと変わっていきました。

画面越しだからこそ見える表情、家庭だからこそできるフォロー。それらを通じて「学びは場所を選ばない」ということを、親子で実感できた体験でした。

学びは他者との対話を通して身につきます。親が子どもの学びを支えることで成長の幅が広がり、文部科学省も家庭内の対話が自己理解や共感力を育むと重視しています。

可能性が開花!遊びと学びを融合する「体験型オンライン学習」活用3事例

オンライン学習は、教科の勉強だけだと思っていませんか?実は、家の中にいながらにして、子どもの興味や可能性を大きく広げる魔法のようなツールです。

アートレッスンからパン作り、さらには宇宙旅行まで!わが家が体験して感動した、学びと遊びを融合させたユニークな活用事例を3つご紹介します。

事例1:芸術的知能を伸ばす「オンラインアートレッスン」

息子は幼い頃から絵を描くことが大好きでしたが、近くに良質な絵画教室がなく、習い事を諦めかけていました。そんな折、オンラインで本格的なアートレッスンを見つけました。

初めは「画面越しで本当に上手く学べるのかな?」と心配していましたが、丁寧に技法を教えてくれる先生の姿に自然と引き込まれ、回数を重ねるごとに絵の表現が豊かになっていきました。

レッスンの最後に先生が息子の作品の良いところを褒めてくれました。

「〇〇君の描く青い空は、すごく優しくていいね、次はもっと色を重ねてみようか」と声をかけてもらい、先生からの具体的な褒め言葉に「自分の絵をちゃんと見てくれた!」と息子の自信がぐっと深まり、自宅での楽しみが増えました。

芸術的な知能を育てることが表現力や創造性を高めます。オンラインでの個別指導は、一人ひとりに合ったアドバイスが得られ、自分でもできるという自信を育てる効果があります。

事例2:五感を刺激する「オンライン料理・パン教室」

娘は料理が得意で、私の手元をよく手伝ってくれます。夏休みに親子で参加できるオンラインの料理教室を偶然見つけ、挑戦することにしました。

パン作りは初めての経験で「難しそう」と少し不安そうでしたが、プロの先生が画面越しに細かく工程を説明してくれ、感触や匂いも想像しやすい声掛けに娘も夢中に。

「すごく上手だね、その調子!」と励ましの言葉をもらいながら、生地をこねる手の感触や材料を混ぜる音に興奮し、「またやりたい!」と目を輝かせていました。

講師からの励ましの言葉も大きな自信になり、親子で新しいコミュニケーションを楽しめた時間となりました。画面越しの情報処理だけではない、家庭ならではの学びの深さを感じました。

親子での共同調理はこの流れを自然に生み出し、食育基本法でも自己肯定感を育む活動として推奨されています。

事例3:知的好奇心を刺激する「バーチャルツアー」

遠出が難しい夏休みの時期、家にいながら世界各地を巡ることができる「バーチャルツアー」は、とても魅力的な体験です。

わが家も宇宙博物館のバーチャルツアーを体験し、専門の学芸員さんによる宇宙服の重さやロケットエンジンの仕組みの解説に、息子も驚きの声をあげていました。

質問にも丁寧に答えてもらい、教科書だけでは得られないリアルな知識が子どもの心に深く刻まれました。

まるで旅をしているかのような臨場感があり、オンライン学習が持つ新しい可能性を実感した瞬間です。

オンライン学習は、物理的な距離を超えて、新しい世界との出会いを与えてくれる魔法のような道具だと感じました。

バーチャルツアーは認知的好奇心を刺激し、知識の深まりを促します。

実体験とデジタル学習を融合させた学びは、視覚と聴覚を同時に刺激することで、理解の定着率が高まることがマルチモーダル学習研究で示されています。

オンライン学習を習慣化!勉強嫌いの子でも続く「継続3ルール」

せっかくオンライン学習を始めても、なかなか継続できず悩んでしまう親御さんは多いです。

ここでは、私たち家族が試行錯誤して見つけた、子どもが自ら学びに向かう力を育むための3つの効果的なルールをまとめました。

  • ルール1:勉強スイッチをONに!子どもと決める「場所と時間」
    「学習専用の場所」と「決まった時間」を子どもと一緒に決め、タイマーを活用しましょう。気持ちの切り替えが容易になり、学習への集中モードに入りやすくなります。
  • ルール2:勉強を押し付けない!子どもの自立心を育む「見守る距離感」
    授業中は遠くから見守り、「困った時はいつでも言ってね」と声をかけるのみに留めましょう。親の安心感を土台に、子どもが自力で解決する力(自立心)を育みます。
  • ルール3:学びを定着させる最強の方法!授業後の「ふりかえりタイム」
    授業直後に「何が面白かったか」「何が心に残ったか」を質問し、親子の対話の時間を持ちましょう。子どもの考えが言語化され、学びがより深く定着しやすくなります。また、子どもたちの気づきをメモしておくと、あとで見返すことができます。

まとめ:オンライン学習がくれた親子の絆と新しい学び

オンライン学習は、単なる勉強方法ではなく、親子で新しい学びの可能性と成長を共有できる貴重なツールです。

元小学校教諭の視点から見ても、「自己決定感」や「認知的好奇心」を刺激するオンラインの特性は、子どもの内発的動機づけに極めて有効です。

ぜひ、今回ご紹介した「始め方」と「3つの継続ルール」を実践し、お子さんの学びのスイッチをONにしてみてください。

【執筆者:まさこ先生】
元小学校教員。教諭歴40年。教育相談や保護者対応を通して、延べ4,000人以上の児童と関わってきました。家庭で実践できる親子の関わり方を発信しています。
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