「海外の人と話してみたい」「子どもに広い世界を見せたい」——そんな思いを持つ親御さんは多いのではないでしょうか。でも、実際に海外旅行に行くには費用も時間もかかりますし、言語の壁も気になりますよね。
そんな中、わが家が出会ったのが「オンライン国際交流」という選択肢。スマホやパソコンがあれば、家にいながら世界中の人とつながることができます。オンライン国際交流は、英語が得意でなくても楽しめる工夫がたくさんあり、親子で一緒に体験することで、学びと感動が生まれます。
本記事では、わが家の実体験をもとに、オンライン国際交流の魅力と始め方、注意点までを詳しく紹介します。
親子で楽しむオンライン国際交流の魅力とは
オンライン国際交流の魅力は、難しい勉強や準備を一切せずに、日常生活の中から世界への扉を開けることができる点です。
たとえばわが家では、夕飯を済ませたあとに子どもと一緒にパソコンの前に座り、Zoomで海外の親子と交流しました。特別な遊び道具もいらず、自己紹介をしたり、ジェスチャーゲームをしたりするうちに、言葉以上に「笑顔」で気持ちが伝わっていくことを実感しました。
子どもにとっては「英語を学ぶ」よりも、「相手と気持ちが通じた」という体験が何よりも大きな自信につながります。
英語が苦手でも大丈夫!子どもが笑顔になるオンライン交流体験
小学校で英語教育が必修化されたのは2020年なので、私の子どもたちは小学校で英語を学んでいません。
でも日本語吹き替えでない映画や洋楽など、親が楽しんでいるのを見聞きしては発音の真似をしていたので、きっと英語に興味があるんだなと感じていました。そこで英会話教室の体験レッスンに連れて行くと、思いがけず「もういい」との言葉。他の子どもの中で英語を話すのが恥ずかしかったようです。
せっかくだから何とか英語に触れる機会をつくりたいと思いついたのが、「実際に海外の子と話してみる」こと。いろいろ探して見つけたのは、NPOが主催する無料のZoomイベントで、日本の子どもたちと、フィリピンやインドネシアの子どもたちが画面越しに自己紹介をしたり、簡単なゲームをしたりする内容でした。
息子は最初こそ緊張の面持ちでしたが、画面越しの笑顔に引き込まれ、終わった後には

またやりたい!
と顔をほころばせました。英語が通じる楽しさ、言葉を超えて伝わる気持ちを体感したようでした。
折り紙や昔遊びでつながる!親子で楽しむ国際文化交流
以前、SNSを通じて知り合ったアメリカ在住のご家族と「折り紙教室」をオンラインで企画したことがあります。事前に息子と一緒に折り紙を何度も練習し、「どうすれば画面越しでも分かりやすく伝えられるかな?」と試行錯誤。
交流当日は、相手の子どもが一生懸命に紙を折る姿に大笑いしながら、こちらも言葉を選びつつ説明しました。
難しいところでは「ちょっと待ってね」と見せ合いながら進める光景は、まるで教室そのもの。最後に完成した折り鶴を画面に掲げた時の拍手と歓声は、息子にとって「自分が先生になれた」という小さな誇りにもなりました。
言葉が完璧じゃなくても、ジェスチャーや笑顔で通じることを子どもたちは自然と学びました。
この交流は何度か続き、「けん玉」や「紙風船」など、日本の昔遊びを紹介していきました。親子で準備する時間も楽しく、交流そのものがイベントのように盛り上がります。遊びを通じた交流は、言語の壁を越えて、心の距離を縮めてくれると実感しました。
世界のママ友とつながる!親同士の国際交流が育児に与える気づき
子ども同士の交流がメインと思われがちですが、実は親同士のつながりも大きな魅力です。イベント後に親同士で感想をシェアする時間があり、そこからSNSでつながるようになりました。
ある日、インドネシアのママから「日本の子育てって忙しそうだね」と言われ、「確かに…」と苦笑い。「習い事も多いし、宿題もあるし、親も仕事でバタバタしてるからね」と話すと、「うちは夕方は家族でご飯を食べて、夜はのんびりしてるよ」とのこと。そんなやりとりを通して、「子育ての形はひとつじゃない」と気づかされました。
また、アメリカのママは「日本の給食ってすごいね!」と驚いていて、こちらが誇らしい気持ちになったことも。
親同士の交流は、育児の悩みを共有したり、文化の違いを楽しんだりする貴重な時間。
「世界のママ友」ができることで、日常のちょっとしたことにも新しい発見が生まれます。
初心者でも安心!親子で始めるオンライン国際交流のステップガイド
「興味はあるけど、何から始めればいいのかわからない」「英語が苦手だから不安」——そんな声をよく聞きます。
実際、わが家も最初は戸惑いながらのスタートでした。
でも、いくつかのステップを踏むことで、親子ともに安心して交流を楽しめるようになりました。
ここでは、初心者でも無理なく始められる方法を、体験を交えて詳しく紹介します。
無料イベントからスタートする
最初の一歩としておすすめなのが、NPOや教育団体が主催する「親子向けオンライン国際交流イベント」への参加です。
例えば、「世界の子どもと遊ぼう」「オンライン異文化体験」などのキーワードで検索すると、Zoomを使った無料イベントが見つかります。
内容は、自己紹介・簡単なゲーム・歌・工作など、言語に頼らないアクティビティが中心。英語が話せなくても、笑顔やジェスチャーで十分に楽しめる構成になっています。
我が家では、最初に「見るだけ参加」を選びました。息子は画面越しに海外の子どもたちの様子を見て、「楽しそう!」と興味を持ち、次回からは自分で挨拶をするように。無理に話させるのではなく、「見て感じる」時間を設けることで、自然な興味が育ちました。
SNSでつながる・個人交流を広げる
イベント参加後、「もっと話してみたい」「定期的につながりたい」と思ったら、SNSを活用するのもおすすめです。InstagramやFacebookでは、「海外在住 日本人ママ」「国際交流 子育て」などのハッシュタグで検索すると、現地で活動する方々の投稿が見つかります。
コメントやDMでやりとりを重ねることで、信頼関係が築け、個人的な交流につながることも。わが家では、アメリカ在住の日本人ママとつながり、月に1回「折り紙交流会」を開催するようになりました。
子ども同士だけでなく、親同士も「子育てあるある」を共有できる場となり、交流が深まりました。
翻訳ツールを親子で活用する
英語が苦手でも、今は便利な翻訳ツールがあります。Google翻訳やDeepLを使えば、簡単な会話やメッセージのやりとりもスムーズ。ただし、翻訳結果が不自然なこともあるため、親子で一緒に「どう伝えたらいいかな?」と考える時間が学びになります。
息子は

この言い方、ちょっと変かも。
と気づくようになり、言葉のニュアンスに興味を持つようになりました。翻訳ツールは「正しく伝える」ためだけでなく、「言葉を育てる」きっかけにもなるようです。
親のサポートが安心感につながる
オンライン交流は、子どもにとって楽しい反面、緊張や不安も伴います。
だからこそ、親がそばで見守り、必要に応じてサポートすることが大切です。
例えば、話しかけるタイミングを教えたり、翻訳を手伝ったり、話題を広げるヒントを出したり。「一緒にやってみよう」「失敗しても大丈夫だよ」と声をかけることで、子どもは安心して挑戦できます。
小さな成功体験を積み重ねる
最初からスムーズに話せる必要はありません。「挨拶ができた」「笑顔で返してもらえた」「名前を覚えてもらえた」——そんな小さな成功体験が、子どもの自信につながります。
交流のたびに「今日はどんなことができたかな?」と振り返る時間を持つことで、成長を実感できます。
わが家では、交流後に「今日のハイライト」を親子で話し合うようにしていました。
「笑ってくれて嬉しかった」「次はかえるの折り方を紹介したい」など、前向きな気持ちが自然と生まれます。
親子で安全に楽しむために!オンライン国際交流の5つの注意点と実例
どんなによい体験も、「安全に続けられること」が前提です。わが家も何度かヒヤリとする場面がありました。
たとえば息子がうっかり学校名を話してしまったこと。無邪気な一言が思いもよらぬリスクにつながると実感し、それ以降「個人情報は話さない」というルールを親子で毎回確認するようになりました。
こうした工夫を取り入れるだけで、国際交流が「安心できる楽しい時間」へと変わります。
ここでは、実際にわが家や周囲で起こったエピソードを交えながら、注意すべきポイントを紹介します。
プライバシーの管理
本名や住所、学校名などの個人情報は絶対に伝えないようにしましょう。ニックネームや一般的な話題で十分に交流は可能です。以前、ZOOM中に息子が、

〇〇小学校に通ってるよ!
と元気に話してしまったことがありました。相手は善意の海外の子どもでしたが、親としてはヒヤリ。それ以降、「学校名や住所は言わないようにしようね」と事前にルールを確認するようになりました。
信頼できる団体・相手を選ぶ
イベントや交流相手は、信頼できる団体や紹介者を通じて選ぶことが大切です。
SNSで知り合った場合も、事前にやりとりを重ねて相手の人柄を確認しましょう。
あるママ友は、SNSで知り合った海外の保護者と交流を始めたものの、途中から商業目的の勧誘が増えてしまい、困惑していました。
最初は子ども同士の交流だったのに、徐々に「教材を買ってほしい」「講座に参加してほしい」といった話題に。交流の目的がずれてしまったため、やむなく関係を終了したそうです。
時差とスケジュール調整
海外との交流では時差があるため、事前に時間を確認しておくことが重要です。
無理のない時間帯を選び、子どもの生活リズムを優先しましょう。
わが家では、アメリカの家族と交流する際に「朝8時にZoom開始」と設定したことがありました。日本ではちょうど夕方で良い時間帯だったのですが、アメリカ側はまだ朝食前。
相手の子どもが眠そうで、交流がうまく進まず、次回からはお互いの生活リズムを考慮して時間を調整するようになりました。
翻訳の誤解に注意
翻訳ツールは便利ですが、意味が正確に伝わらないこともあります。
誤解を避けるために、簡単な言葉やジェスチャーを併用すると安心です。
ある交流中、息子が「I’m full(お腹いっぱい)」と言いたかったのに、翻訳ツールで「I’m complete」と表示されてしまい、相手が「え?終わりなの?」と勘違い。
その場は笑い話になりましたが、「翻訳はあくまで補助」として使うことの大切さを学びました。
親の見守り
交流中は必ず親がそばで見守りましょう。トラブルが起きた場合、すぐに対応できるようにしておくことが大切です。
一度、通信トラブルで画面がフリーズし、息子が「どうしたらいいの?」と不安そうに。親がすぐに対応し、「大丈夫、もう一度つなぎ直そう」と声をかけることで、安心して再開できました。
子どもは予期せぬ状況に戸惑いやすいため、親の存在が「安全基地」になります。
親子で世界とつながる体験を!オンライン国際交流が育む未来への種まき
夏休みの数週間をどう過ごすかは、子どもの記憶に長く残るものです。
旅行に出かけるような特別な準備ができなくても、画面を通じた国際交流は、家族にとって忘れられない「世界との出会い」になります。
英語や文化の違いに戸惑いながらも、親子で一歩を踏み出した経験は、子どもの未来に確かな種をまいてくれるはずです。
今年の夏は、リビングから世界へ、一緒に冒険してみませんか?
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