「子どもとの関わり方がわからない」「イライラしてしまう自分が情けない―」と悩むこと、ありませんか?
かつて私の夫も同じ壁につまずき、夏休み中の長い親子時間に憂うつそうでした。
しかし、“完璧なパパ”でなくても良いと気づいてから、親子の会話や笑顔が劇的に増えました。
この記事は、昭和男子である夫の失敗談や子どもの反応、工夫してよかった家庭オリジナルの習慣をまとめたケーススタディ。
これからの親子時間が「かけがえのない宝物」になるヒントをまとめています!
筆者プロフィール
40年間、大都市近郊の小学校5校で約4000人の児童と向き合ってきた元小学校教諭。
教育相談担当として5年間、不登校や生活リズムの問題など年間約30件のケースに寄り添い、子どもと保護者の心に深く関わる。
PTA担当の3年間では、多くの保護者の悩みや喜びを共有。
夫も小学校教員という共働き家庭で2児を育てた経験から、「忙しい親だからこそできる子育て」を実践と教育現場の両面から伝える。
パパの育児は「心の交流」:家事との決定的な違いと非認知能力を育むたった10分の使い方
「家事をこなしている=育児に関わっている」と思い込んでいませんか?
わが家も最初はそうでした。教員という同じ職業でありながら、朝バタバタと食事の準備をしながら子どもたちに声掛けをしている私をしり目に、夫はゆったりと新聞を読んでいるー。
そんなザ・昭和男子の夫でしたが、息子からの一言が転機になりました。

おとうさん、家のこと手伝うけど…全然一緒に遊んでくれないよね。
そこで、家事の時間を少し削って折り紙をする時間を作ったところ、息子から質問攻めに。

おとうさんの鶴、ぼくのと違うね!それ、どうやって折るの?
掃除やご飯の支度よりも、たとえ10分でも「一緒にべったり笑う・遊ぶ」時間を作っただけで、親子の会話が増え距離が縮まったのを実感しています。

この折り紙の10分で、「どうやって折るの?」と自ら探究する好奇心、「ぼくのと違うね」と違いを言葉にするコミュニケーション能力、失敗しても大丈夫というレジリエンス(立ち直る力)が育まれます。
“特別な体験”は大げさなものじゃなくてOK!
例えばわが家の夏休み、「雲の形探しウォーク」や「家族みんなで本を“音読劇化”」して盛り上がりました。

うさぎの雲の写真撮ったよ。

おとうさん、役になりきってておもしろかった!
また、夫は球技が苦手ですが、逆に「パパの超変投げキャッチボール」で笑いの連続―。

このボールは捕れるかな~!

どうしてわざわざ苦手なことをしたの?

「得意じゃないこと」でも全力でやる姿を見せて、家族を笑わせるのが父親の役割かなと思って。

このような姿は、子どもたちに「苦手なことに挑戦していい」「失敗は笑いに変えられる」「結果より姿勢が大事」という3つのメッセージを、言葉ではなく背中で伝えます。
教育現場で実感したのは、「失敗を恐れるな」と説教するより、父親が苦手なことに笑顔で挑む姿を見せる方が、子どもの心に深く刻まれるということです。
おとうさんだからこそできる!:失敗を笑いに変える自己肯定感爆上げのコミュニケーション術
パパの褒め言葉や失敗談は、子どもの“自己肯定感”に直結します。
息子が自由研究でしくじった日、夫が

おとうさんも昔ぜんぜん上手くいかなかった。今から一緒にリベンジしよう!
と声をかけると、急に表情が変わり再チャレンジ!「パパでも失敗する=自分もやって大丈夫」と思える“安心感”の演出が、やる気アップのキモでした。

子どもにとって、おとうさんは憧れの存在です。
男の子にとってはロールモデルとなり、女の子にとっても、異性との関わり方を学ぶ大切な存在です。
プロ教師パパの実践!:親子の絆を深める「特別な時間」を作る家族のルール
うちの家族ルールは、夜寝る前の「今日の残念一発ギャグ発表会」。子どもも親も、今日のイマイチポイントを一つずつギャグ形式で告白します。
実践ポイント
- 順番は子どもから:親が先に失敗を話すと、子どもが「自分も言わなきゃ」とプレッシャーを感じることがあります
 - ギャグ化のコツ:「〇〇しちゃって、まいっちんぐ!」など、オチをつけるだけでOK
 - 絶対に説教しない:「次は気をつけようね」もNG。笑って「あるある!」で終わらせる
 - 親も本気で告白:「会議で資料忘れて、あわわわ〜」など、親の失敗も包み隠さず
 
そのあと”本音トークタイム”を設けると、むしろ失敗や落ち込みすら親子で”笑い話”にできます。この習慣が、「失敗しても大丈夫」という心理的安全性(安心感)を育み、子どもが何でも話せる関係を作ります。

子どもは「怒られるかも」「がっかりされるかも」という不安で、本音を隠してしまいがち。
そこで「笑い」というクッションを挟み、心理的ハードルを下げます。
もうひとつは月に一度の「おとうさんデー」。
息子か娘どちらかと夫だけの外出です。息子とは電車見学、娘とはキャラクターショップで買い物など、それぞれの興味に合わせて過ごしていました。

おとうさんと一緒だとすっごく楽しい!

連れてきてよかった…。

帰宅後の子どもの様子を見ていると、普段より夫に甘えるような言動が見られました。
夫もいつもより饒舌になり、明らかにこころの距離が縮まっていると感じました。
思春期・反抗期を乗り切る!:小学生で「心の安全基地」を築く「待つ育児」の重要性
「急に心を閉ざしてきた…」そんな場面でも慌てなくて大丈夫。無理な追及よりも、

いつでも話したい時でいいよ。
とだけ伝えて静かに待つ――すると二日後に

実は…、友だちに嫌なことを言われて悲しかったんだ。
と自分から話し始めてくれた経験もあります。
親の“待つ度量”が、長期的な信頼関係につながります。

思春期以降のコミュニケーションを円滑にするため、小学生のうちから子どもの「安全基地」を築くことが大切です。
安全基地を築くために
- 頭ごなしに否定せず「そうなんだね」と受け止める
 - 「話したくなったらいつでも聞くからね」とタイミングを待つ
 - 子どもが好きなものに興味を持つ
 

今でも漫画の新刊を手に入れるたびに、夫と息子は「今回の話、すごかったね!」と盛り上がっています。
失敗しても大丈夫!パパの育児がもっと楽しくなるヒント
育児に正解はありません。大切なのは、失敗から学び、素直に謝る勇気を持つことです。
夫は仕事で疲れていた日、宿題をだらだらとやっている息子を強く叱ってしまい、泣かせてしまいました。
その後すぐ謝ると、息子はケロッとしていました。

怒鳴ってごめんね。

お父さんも人間だから、怒ることもあるよね。
また、休日の朝、予定していた公園遊びが雨で中止になった時、特別なことは何もせず家族全員でリビングでゴロゴロして過ごしました。

みんなでいると楽しいね。
と娘に言われ、夫は

がんばらなくてもいいんだ…。
と小さな声でつぶやいていました。

難しいことを考えず、子どもと自然体で接するだけで十分です。
習い事の付き添いだけじゃない!子どもを伸ばすパパのサポート術
習い事の送り迎えや付き添い、それだけじゃもったいない!習い事が終わった後が、実は最高の対話チャンスです。
ステップ①:本音を引き出す質問をする
- NG質問:「今日どうだった?」「楽しかった?」→子どもは「うん」で終わりがち
 - OK質問:「今日のピアノのレッスン、どこが難しかった?」「一番できるようになったことは?」
 - ポイント:結果ではなく、プロセスや気持ちを聞く
 

今日のピアノのレッスン、どこが難しかった?

転調!
“子どもの本音を引き出す質問”を持っていると、深い関わりができます。
ステップ②:「逆転先生ごっこ」でさらに深掘り
- やり方:子どもが親に習い事の内容を教える役割交代
 - 効果:①自己肯定感UP(教えることで自信がつく)、②コミュニケーション能力UP(説明力が育つ)
 

えっ⁈ピアノの転調ってどうやるの⁇

ジャーンって、ドミナントセブンスコードを弾くんだよ!
ステップ③:褒め方を工夫する
- NG:「上手だね!」「すごいね!」→結果だけを褒める
 - OK:「難しいところ、何回も練習してたね」「わかりやすく教えてくれたね」→努力や姿勢を褒める
 
夫婦で育児は「チーム戦」。円滑に進めるための具体的な方法
パパ・ママでの情報共有はシンプルに!LINEのグループで「一言日報」を送りあったり、たまに“オフライン家族会議”で思い付きの不満や笑い話をシェアしていました。
小さな“ありがとう”や“お疲れ様”の声かけで、お互いのストレスが減り、「自分だけ孤立している」悩みが激減します。
また、娘が生まれた時、夫は1か月の育休を取りました。当時は職場でも

男性が育休なんて珍しいね。
という戸惑いの声もありましたが、

こんなに頻繁にオムツを替えるんだね!

夜中の授乳でこんなに疲れるとは…。
と私の大変さを身をもって理解してくれました。
また、初めてのお風呂で泣かせてしまった時、子どものぬくもりに感動し、触れ合うことが何より大切と心底思ったそうです。
その経験があったからこそ、その後も真摯に育児に向き合えたのだと思います。

育児は夫婦の「チーム戦」です!
【夫婦連携についてはこちらもおすすめです】👇
【元小学校教師の知恵】共働き家庭は実践すべき!「短時間・高密度」対話で自己肯定感を育む習慣
すぐ始められる!“親子関係UPのちょい足し行動”
育児とは、子どもを育てることですが、同時に、親である私たち自身も成長させてくれるものです。
特別なことは必要ありません。夫が実践していたのは次の3つです。
- 今日の寝る前に「3分だけ!」と決めて、子どもの話を一度もさえぎらずに聞いてみる
 - 無理せず1日1回は、子どもにも自分にも“お疲れ様”や“ありがとう”の一言をかける
 - 「昨日より一つでも新しいことを一緒にやる」小さなチャレンジを集めてみる
 
親が自分に向き合ってくれていることは、必ず子どもに伝わります。当時、子どもたちが、

大きくなったらおとうさんみたいになりたい!

おとうさんと遊ぶ時間が一番楽しい!
と言ったことがあります。

こんな言葉を聞くと、育児の大変さなんて吹き飛んでしまうよね。
まとめ:おとうさんの育児は「愛」を育むこと
わが家の“パパ育児”、10点満点で5点の日も、0点の日もありました。
でも振り返ると、迷いも小さなチャレンジも全部“親子のネタ”に。
大切なのは、大それたことではなく、今日できる一歩を楽しむことでした。
「お父さんと過ごした夏休みが一番思い出に残った!」
そんな風に子どもの記憶に残る親子時間を、毎日少しずつ重ねていけたら素敵です。
  
  
  
  

コメント