長い夏休みが始まると、子どもが朝から家にいるため親の一番の悩みは「食事の回数の多さ」です。朝ごはんを作ったと思ったら、すぐに昼食、夕食、そして小腹が空いたおやつまで…台所に立つ時間が格段に増えます。
私自身、何度も「またご飯?」「今日は何にしよう…」と途方に暮れたものです。さらに、我が家の娘は小食で野菜嫌い、息子は暑さで食欲が落ちるため冷たい麺類ばかりに偏りがちでした。
その状況をどう乗り越えるかを必死で考え、工夫して試してきた中で役立ったアイデアを今回は紹介します。
※2025年8月25日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2025年9月3日に再度公開しました。
【栄養バランスのコツ】偏りを防ぐ献立作り3つの基本
子どもの健康を考えるとき大切なのは、まず「一皿の中に何が入っているか」という視点です。ご飯やパンなどの炭水化物(主食)だけで終わらせるのではなく、タンパク質になる肉や魚(主菜)、さらに体を守る野菜や海藻(副菜)を必ず添えるように意識しました。
私の家庭では、料理の彩りにも気を配り、トマトや人参の赤、ブロッコリーの緑、卵の黄色を取り入れることで「食べてみたい」と思える食卓に変わりました。特に子どもは見た目から食欲を感じるので、彩りバランスを意識するだけで残す量が減ったのを実感しています。
さらに、毎日の食事で完璧を目指すのではなく、1週間単位で全体のバランスを考えることも重要です。たとえば「今日は魚中心」「明日は野菜多め」といったように、日ごとのテーマを決めて献立を組み立てることで、無理なく栄養の偏りを防ぐことができます。親にとっても負担が少なく、継続しやすい方法です。
主食:ご飯・パン・麺
主菜:肉・魚・卵・大豆製品
副菜:野菜・いも類・海藻・きのこ類
2.色で栄養を判断する
赤:トマト・人参
緑:ほうれん草・ブロッコリー
黄:卵・かぼちゃ
白:豆腐・大根
黒:ひじき・ごま など
3.一週間単位で考える
曜日ごとのテーマをきめておく
【1週間献立例】30分で完成!夏休みの簡単・栄養満点メニュー
ここでは、実際に我が家で実践した「夏休みの1週間献立例」をご紹介します。すべて30分以内で作れる簡単メニューです。
月曜日:冷しゃぶサラダ定食
真夏日は特に食欲が落ちやすいですが、冷しゃぶサラダを出すと驚くほど箸が進みます。豚肉をさっと茹でて氷水で冷やし、レタスやトマトと一緒に盛り付けるだけなのに、栄養もしっかり。
息子は「今日はさっぱりして食べやすい!」と言いながら完食しました。タレはポン酢、ごまダレ、玉ねぎドレッシングなどを用意すると味に変化が出せるので、子どもが自分で選んで楽しむこともできます。

ぼくはポン酢!

わたしはごまダレ!
・主食:白ごはん
・主菜:豚しゃぶ(レタス・きゅうり・トマトと一緒に)
・副菜:わかめと豆腐の味噌汁、かぼちゃの煮物
火曜日:鮭のホイル焼き定食
火曜日は魚料理にトライしました。ホイル焼きはアルミで包んでオーブンやフライパンで蒸し焼きにできるので、栄養を逃さずに仕上がります。玉ねぎやしめじなどを一緒に入れると甘みが増して野菜嫌いでも食べやすくなります。
我が家の娘は魚にあまり乗り気ではなかったのですが、「香りが良い!」と一口食べたら最後まで残さずに食べてくれました。味付けも塩バター、味噌、塩麹などに変えると飽きません。

バター味ってまちがいないよね!
・主食:雑穀米
・主菜:鮭のホイル焼き(玉ねぎ・しめじ・人参入り)
・副菜:小松菜と油揚げの炒め物、冷奴
水曜日:タコライス風ワンプレート
カフェ風なワンプレートでお出かけ感を出すと、「わー、おしゃれ!」と子どもたちのテンションが上がります。わが家の息子も普段は残しがちなレタスやトマトもきれいに食べてくれました。お皿が少なくて済むので洗い物も楽です。

お出かけしたみたい!

洗い物が少ないのが何より楽…。
・主食:ごはん
・主菜:合挽き肉と玉ねぎの炒め物(ケチャップ+ウスターソース)
・副菜:レタス・トマト・アボカドのサラダ、コーンスープ
木曜日:冷やしうどん+副菜たっぷり
冷たい麺だけだと栄養が偏りがちなので、鶏肉や副菜をプラス。枝豆は冷凍を活用して時短します。副菜は常備菜でもOKです。うどんをそうめんにするとさらにゆで時間が減ります。わが家では細いパスタを使うこともあり、子どもたちの評判も上々です。

ただでさえ暑い夏。ゆで時間は少ないに限ります!
麺を電子レンジでゆでるのもおすすめです!
・主食:冷やしうどん(錦糸卵・きゅうり・ハム・ミニトマト)
・主菜:鶏の照り焼き
・副菜:ひじき煮、枝豆
金曜日:カレーライス+トッピング祭り
「今日はカレー祭り!」と宣言すると、子どもたちが自分でトッピングして盛り上がります。意外な食材がカレーと合うことがあるので、わが家では毎回「チャレンジ食材」を1品添えることにしています。

わが家の定番はチーズと納豆です。
・主食:カレーライス(人参・玉ねぎ・じゃがいも・豚肉)
・主菜:ゆで卵・チーズ・納豆など好きなトッピング
・副菜:キャベツときゅうりの浅漬け、ヨーグルト
土曜日:おにぎりプレート+おかずバイキング
子どもたちも一緒に握るとちょっとしたイベントに。バスケットや大皿に盛りつけてピクニック風にするのがおすすめです。「このおにぎり握ったの誰?」「唐揚げをとって」など、子どもたちの声が飛びかうにぎやかな食卓になります。

お兄ちゃんの握ったおにぎり変な形!

味はおいしいよ!

紙ナプキンや紙皿が大活躍。洗い物も減ります!
・主食:おにぎり(鮭・梅・昆布)
・主菜:唐揚げ、卵焼
・副菜:ブロッコリーの塩ゆで、ミニトマト、フルーツ
日曜日:お好み焼き+具材で栄養調整
お好み焼きは具材次第で栄養調整がしやすいです。キャベツたっぷり+チーズでカルシウムも補給。子どもたちと一緒に具材を混ぜる工程も楽しく、テーブルにホットプレートを準備すると息子が「今日は自分で焼く!」と張り切ってくれました。

今日はぼくがお好み焼き奉行だよ!
・主食:お好み焼き(キャベツ・豚肉・チーズ・コーン)
・主菜:豆腐ステーキ
・副菜:きゅうりの酢の物、スイカ
【時短×栄養】忙しい夏休みに助かる!親の工夫5選
冷凍野菜で「あと一品」の悩みを解決!忙しい朝にも便利
冷凍野菜を常備してみると、想像以上に頼れる存在でした。特に冷凍ほうれん草は、朝の味噌汁にそのまま入れるだけで野菜不足を防げます。
私自身はこれを使い始めてから「もう一品どうしよう」という焦りが減りました。以前は夜遅くなってからスーパーに駆け込むこともありましたが、冷凍野菜があれば落ち着いて準備ができます。

最近は野菜の値段が高いので、冷凍野菜があると助かります。
週末の作り置きで平日ラクラク!親子で副菜づくりタイム
週末に「ひじき煮」「きんぴら」「煮卵」などを作っておくと、平日の副菜に困りません。冷蔵で3日、冷凍なら1週間持つものも。
わたしの家では日曜の夕方に、子どもと一緒に「副菜づくりタイム」を設けるようになってから、平日の食事準備が本当にラクになりました。娘の作る煮卵は固さも味も毎回バラバラでしたが、それも楽しみのひとつでした。
子どもと献立を考えると食べる意欲がアップする理由
「明日は何食べたい?」と聞くと、意外と「野菜炒め!」などのリクエストが出ることも。自分で選んだメニューは食べる意欲もアップ。
ある日、息子が

明日は魚がいい!
と言ったので、鮭のホイル焼きを作ったところ、普段は残しがちな野菜も一緒に食べてくれました。
「自分が選んだメニューだから食べる」という意識が育っているのを感じました。
ワンプレートで時短&おしゃれに!盛り付けの工夫で食卓が変わる
彩りよく盛り付けるだけで、食欲が湧きます。私の子どもたちも木製プレートに盛り付けるだけで、「レストランみたい!」と大喜び。100円ショップの北欧風の器も好評です。

レストランみたい!このお皿、かわいい!
ベランダで育てたバジルやミントなど小さな緑の葉や、カットしたレモンやフルーツを添えるなど、ほんの小さなことでもおしゃれな感じにすると喜びます。
朝食で栄養バランスをリセット!野菜スープで元気な一日を
夕食で野菜が少なかった日は、翌朝に野菜スープやサラダをプラス。1日トータルで栄養バランスを整える意識が大切です。
私は前夜に「今日は野菜少なかったな」と感じたら、翌朝にミネストローネを作るようにしています。トマトベースのスープは子どもにも人気で、パンと一緒に食べると朝から元気にスタートできます。
【食卓は会話の場】親子の絆を深める夏休みの食事時間

わが家の家庭菜園で採れたミニトマト
ある日の夕食中、息子がふと「この野菜、どこで育ったの?」と聞いてきました。それまで食べることにこだわりがなかったのに、好奇心が芽生えたことに驚きながらも嬉しくなりました。
翌日から、スーパーでは野菜の産地表示を一緒にチェックするようになり、「北海道産だね」「これは熊本から来たんだ」と、帰ってから地図を広げて産地を探すように。
さらに、ベランダでミニトマトやバジルを育てる家庭菜園にも挑戦し、水やりをしながら「今日はちょっと元気ないね」「赤くなってきた!」と、植物の変化に気づくようになりました。
家庭菜園で採れたミニトマトを食卓に出すと、子どもたちは「これ本当に庭でできたの?」「僕が水やりしたから甘い気がする!」と大はしゃぎ。普段は何気なく口にしていた野菜が、自分たちの手で育てた食材になることで特別なものになったようです。
その日の夕食は、料理そのものよりも「どうやって育ったか」の話題で盛り上がり、家族の会話が普段以上に弾みました。食卓が単なる食事の場ではなく、親子のコミュニケーションの場になっていると実感しました。

献立を考えるのは確かに大変ですが、食事を通して子どもと会話したり、食材に興味を持ってもらったりする絶好のタイミングです。
【まとめ】夏休みの食事をラクに!栄養・時短・親子の工夫を総整理
今回紹介した献立は、無理なく続けられる工夫と、季節感や彩りを意識した楽しさを両立させたものばかりです。ポイントを表にまとめました。
ポイント | 内容 |
---|---|
栄養バランス | 主食・主菜・副菜を意識し、色とりどりの食材を使う |
時短の工夫 | 冷凍野菜・作り置き・ワンプレートで手間を減らす |
子どもとの関わり | 献立相談・料理参加で食への興味を育てる |
夏野菜の活用 | スイカ・トマト・とうもろこしなどを楽しく取り入れる |
曜日テーマ | 献立の悩みを減らし、リズムを作る |
夏休みの食事作りは大変な面もありますが、それ以上に「子どもの成長や笑顔を見られる特別な時間」でもあります。完全に栄養バランスを整える必要はなく、数日単位で考えれば十分。時には冷凍食品や外食を取り入れてもいいと思います。
無理なく続ける工夫をしながら、子どもと一緒に楽しめる食卓を作っていけたら、夏休みが一層思い出深いものになるはずです。
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