夏休みが始まると、毎年わが家では“朝のお寝坊さん”が現れます。娘は普段は7時前にパッと起きるタイプですが、休みに入ると不思議なくらい布団から出てきません。初めは「まぁ、夏休みだし」と許していたのですが、そのうち朝食が10時になり、夜もなかなか寝付けなくなりました。
そんなある日、朝から娘と顔を合わせるタイミングがなく、私は何となく淋しさを感じてしまいました。「親子で過ごす夏休み、もっと一緒に楽しく過ごせる方法はないかな?」と考えて、ふと思いついたのが“親子ヨガ”でした。
この記事ではヨガ・ストレッチの効果と継続のコツについてお伝えさせていただきます。
わが家が朝ヨガを始めたきっかけと最初の変化
娘が5年生になった夏休み。何日か連続して遅寝遅起きが続いたある朝、「ねえ、おかあさん、体が重くてだるい…」とつぶやかれたのが転機でした。私も同じように気持ちがスッキリしない日々。これは家族で何かリセットできる朝習慣が必要だと考えました。

一緒にちょっとだけ体を動かしてみようよ?
と声をかけ、YouTubeの“親子ヨガ初級10分”動画を見ながらチャレンジ。初日、娘は

難しそう…。
と不安気でしたが、「やってみる?」という私の笑顔に誘われたのか、渋々マットに座ってくれました。やってみると、娘よりも自分の方が体が硬くて、

えっ、おかあさん全然曲がってないじゃん!
と大笑い。その一言で、朝の空気が一気に明るくなり、次の日には「今日も一緒にやる?」と娘の方から提案が。
親子ヨガで得られた実感と心のつながり
初日は「キャット&カウ」と「木のポーズ」に挑戦。ふたりでグラグラ揺れながらやると、娘が「おかあさん、バランス悪っ!」とひとしきり笑ってしまい、少し気恥ずかしさを覚えながらも、心がほぐれました。
2人で鏡を見ながら「ねこのポーズ」では、「にゃーん」と言い合い、思わず吹き出してしまう場面も。2週目くらいから、娘の主体性がグッと伸びました。

今日のヨガ、どんなポーズにしようか?
と毎朝聞いてくれるようになり、「前屈ストレッチ」で“どっちが手が遠くまで届くか”競争が恒例に。ある日は「昨日より2センチ伸びた!」と、得意げな記録メモを見せてくれました。私も体が少しずつ柔らかくなり、

お母さんも頑張ってるね!
と言ってもらえるのが密かな喜びに。ヨガの合間には「昨日の夢がね〜」と娘が話し始めたり、「今日のお昼ごはん何がいい?」と家族の予定や気持ちも自然にシェアできるようになりました

1ヶ月続けた頃には、娘は規則正しい生活リズムに。私自身もイライラが減りました。
朝ヨガがもたらす3つの効果
生活リズムが整い、朝の時間が充実する
毎朝決まった時間にヨガをすることで、起床時間が安定し、朝食のタイミングも整いました。娘いわく、「朝ヨガがあると、学校がある日みたいにシャキッとする」とのこと。
体を動かすことで眠気が取れるようで、午前中の活動がスムーズに進むようになりました。娘も

朝から体を動かすと、宿題がはかどる!
と言うようになり、私も、

午前中に家事が終わると気持ちが楽。
と感じています。夏休みでも、生活のリズムを保つことができるのは、親としても安心材料になります。
親子のコミュニケーションが自然に増える
ヨガのポーズを一緒にとることで、自然と笑いが生まれます。言葉にしなくても、同じ空間で同じ動きをすることで、心の距離が近づいていくのを感じました。ポーズの途中で、

変な顔になってるよ〜。

このポーズ無理!
と笑いあったり。朝からふたりで大笑いすることで、心が軽やかになります。
また、「こうやればいいんじゃない?」「おかさんからだ硬すぎ!」など娘がどんどん話しかけてきて、一緒に何かすると仲が深まると実感しました。
心と体のセルフケアが習慣になる
育児や家事に追われる日々の中で、自分の体と心に向き合う時間は意外と少ないものです。ヨガをすることで、呼吸に意識を向けたり、体のこわばりに気づいたりすることができ、「自分を大切にする時間」が生まれました。
とくに、深呼吸を意識するようになってからは、焦ったときや疲れたときに

ちょっと深呼吸しよう。
と思えるようになり、セルフケアの習慣が自然と身についた気がします。
娘も

体がポカポカする。イライラしなくなった。
と話してくれ、感情の安定にもつながっているようです。私自身も、ヨガの時間があることで、気持ちの切り替えがしやすくなり、家事や仕事にも前向きに取り組めるようになりました。
親子で楽しめるおすすめヨガポーズ3選
キャット&カウ(ねこのポーズと牛のポーズ)
四つん這いで背中を丸めたり反らせたり、「ねこになりきろう!」と言い合いながら、呼吸を深くするのを意識しました。娘は毎回「にゃー」と鳴き真似をし、自然と朝から笑顔に。

凝り固まった背中や肩甲骨周りがほぐれ、首や肩のこりが和らぎます。また、呼吸に合わせてゆっくりと動くことで、気持ちが落ち着き、リラックスできます。
木のポーズ
片足立ちでもう片方を太ももに乗せてバランス。初日は10秒も持たなかった私ですが、娘はすぐにクリア。「おかあさん、集中力が足りないかも!」と指摘され、気が引き締まりました。

片足で立つことで、体幹が鍛えられます。また、集中して一点を見つめることで、心が落ち着き、精神的な安定にもつながります。
前屈ストレッチ
床に座って、どこまで前に倒れるか挑戦。「今日は何センチ?」と言いながら定規で測ったり、記録ノートをつけるのがプチブームに。親子でストレッチ後に「わあ、体がぽかぽかする」と感じ、心もリフレッシュされた印象です。

筋肉がほぐれることで血流が改善し、体が温まります。また、心臓より頭が下になることで血行が良くなり、心身がリフレッシュされます。
夏休みに無理なく続けるための工夫とコツ
習慣化する秘訣は「短くても毎日」「完璧を求めない」「ご褒美をセット」。
わが家では「朝食前の10〜15分まで」と決めて取り組みました。週末はどうしても遅くなりがちですが、

今日はちょっとだけ。5分だけね。
とゆるく調整。それでも“ゼロの日をつくらない”ことを大切にしました。
また、「今日は気分が乗らない」と娘が言う日は、呼吸だけとか「寝転びヨガ」で気持ちを切り替え。ある日ふたり並んでゴロンとマットに寝て深呼吸したら「気持ちいいからこのまま10分ゴロゴロしよう」と笑いながらリラックスできました。
続けられた理由は、お楽しみ“ご褒美タイム”も大きなポイント。「ヨガの後は冷たい桃を食べよう!」「お散歩に出かける?」とその日ごとにごほうびをセレクト。娘は

今日は何のフルーツ?
とヨガ前からウキウキしています。そんなささいな楽しみが毎日の原動力になっていました。
みんなで楽しめる!親子ヨガのアイデア
兄弟姉妹がいる家庭では、全員でヨガに取り組むのが難しい場合があります。そんなときは、「協力」をテーマにするとうまくいきます。
兄弟がいる家庭でも大丈夫!みんなで楽しむ親子ヨガ
ペアになって行うヨガポーズに挑戦してみましょう。お互いのバランスを支え合う「ダブルツリーポーズ」や、向き合って手をつなぎながら体を伸ばす「パートナー前屈」などは、自然と笑顔が生まれ、心の距離も縮まります。
また、年上のお子さんには「小さな先生」役を任せるのも良いアイデアです。「今日は弟にこのポーズを教えてあげてくれる?」とお願いすることで、責任感が芽生え、下のお子さんも楽しく取り組めます。もしそれでもケンカになってしまう場合は、無理に一緒にやる必要はありません。それぞれ好きな動画を選んで、隣同士でヨガをやるだけでも、朝の運動習慣を共有する良いきっかけになります。
「うちの子は絶対やらない!」と思った時の対処法
「ヨガなんて興味なさそう」「絶対ふざけて終わる」と、最初から子どもの反応に不安を感じる方もいるかもしれません。でも大丈夫です。そんなときは、ヨガを「遊び」や「リラックスタイム」と捉え、ハードルをぐっと下げてみましょう。
遊びからスタート!
「カエルになってジャンプしよう」「ネコみたいに背中を丸めてみよう」など、動物の真似っこから入ると、子どもは喜んで参加してくれます。
「寝ながら」挑戦
布団の上でゴロゴロしながら足を伸ばす「寝ながらストレッチ」から始めてみましょう。特に、寝起きの体が重いときでも簡単にできるので、無理なく続けられます。
声かけを工夫
「ヨガやろう!」とストレートに誘うのではなく、「一緒に背中を伸ばしてみようか」「なんだか体がだるいね。一緒にすっきりさせよう」など、子どもの気持ちに寄り添った声かけをしてみましょう。
ヨガは完璧なポーズをとることではなく、親子で一緒に体を動かし、向き合うことが大切です。まずは「気持ちがいいな」と感じることから始めてみてください。
ヨガを「習慣化」するための環境づくりのヒント
親子ヨガを無理なく続けるための環境づくりは、実はとても重要です。以下に、習慣化するための具体的なヒントをまとめました。
「朝ヨガ」を続けるための準備
朝のわずかな時間を有効に使うためには、前日の夜に準備を済ませておくことが大切です。
ウェアの準備
ヨガウェアをあらかじめ用意し、すぐに着替えられる場所に置いておきましょう。パジャマのままできるポーズや、そのまま外に出かけられるようなTシャツとレギンスを着用して寝るのもおすすめです。
マットの準備
ヨガマットをリビングの隅や、すぐに広げられる場所に敷いておきましょう。「出すのが面倒」という気持ちをなくすだけで、朝のハードルがぐっと下がります。
動画の準備
親子でやるヨガ動画を事前に探しておき、スマホやタブレットで簡単に再生できるようにしておきましょう。YouTubeの「再生リスト」機能を使うと便利です。
子どもが「やりたい!」と思える仕掛け
子どもが自らヨガに取り組むためには、「楽しい」と思える工夫が欠かせません。
ポーズに名前をつける
「犬のポーズ」「猫のポーズ」「カエルのジャンプ」など、子どもが親しみやすい動物の名前をつけたり、ポーズを真似して遊んだりしてみましょう。
BGMの活用
ヨガの最中に、お気に入りの音楽や、リラックスできるヒーリングミュージックを流すのも効果的です。子どもと一緒にBGMを選んでみるのも良いでしょう。
目標の「見える化」
「昨日より体を柔らかくする」「新しいポーズにチャレンジする」といった目標を立て、カレンダーやノートに記録してみましょう。
無理のない「ゆるいルール」作り
完璧にやろうとすると、かえって挫折しやすくなります。
時間と回数
「毎日10分」と決めても、子どもの気分や体調によっては難しい日もあります。そんな日は「5分だけでもOK」「ポーズは2つだけ」など、柔軟にルールを調整しましょう。
言葉の力
「早くやりなさい」と急かすのではなく、「気持ちいいから一緒にやってみようか」「今日はどんなポーズにする?」など、ポジティブな言葉で誘いかけましょう。
「ヨガは楽しいもの」という認識
親子ヨガは、あくまでも親子のコミュニケーションを深める時間です。ヨガが「やらされるもの」にならないよう、一緒に笑い、楽しむことを一番に考えましょう。
ヨガを通じて気づいた親子の関係性の変化
ヨガ習慣が続くと、娘との距離がぐっと縮まりました。一緒に笑い合う、ふざけ合うことはもちろんですが、「何かうまくいかない、イライラする」ときほど、「ヨガやろう」の一言でお互い気持ちが落ち着くのです。
私自身、忙しいときや心がざわついているときに、娘の「おかあさん、ヨガしよう?」の声に救われました。ある日は、娘から

今日は私が先生やるね!
とポーズ選びや順番を決めてくれました。その時、「子どもが主体的に取り組む時間もとても大切なんだ」と改めて感じました。
「親が一緒に楽しむ姿」が娘の安心につながっている様子も実感できました。「一緒にいるだけで嬉しい」「おかあさんが笑ってるとほっとする」そんな素直な気持ちがふとした瞬間に聞けたこともあり、親子の信頼が自然と深まったのを感じています。
まとめ:親子ヨガで夏休みを心地よく過ごそう
夏休みは、生活のリズムが崩れて親子の会話も減りがちな季節。そんな時期だからこそ、「朝ヨガ」というたった10分の新習慣を導入するだけで、生活が見違えるほど整い、家族の空気が穏やかになります。
「無理なく楽しく」「親子でその日を感じる」こと。これが続ける最大のポイントです。お子さんが主体的になったり、一緒に笑ったり—それぞれの家庭に合わせてマイペースで取り入れてみてください。朝の数分が、親子の日常の小さな宝物になるはずです。
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